| 長らく中断していたSRCのソースコード公開に関するライセンスの検討ですが、 SRC本体からの版権分離が一通り終了し、バグ修正作業の方も落ち着いてきた と思いますので再開したいと思います。
今までの経緯をご存知ない方のために少し説明をさせて頂きます。 SRCは現在Ver.1.7系の開発版の開発が進められており、これを近いうちに新 たな安定版であるVer.2.0として公開する予定です。 この際、SRCをオープンソース化しようと考えています。
SRCをオープンソース化し、SRCのソースコードを公開することで、私以外の 方でもSRCの機能追加やバグ修正が出来るようになり、SRCの更なる発展につ ながると期待しています。 また、SRCをベースにした新たなゲームの開発といったことも可能になります。
オープンソースの手法は有名なところではLinuxの開発で取り入れられており、 大きな成果を挙げています。オープンソースに関する考察としては「伽藍とバ ザール」(http://cruel.org/freeware/cathedral.html)の論文が有名ですので、 興味ある方はご一読をお勧めします。 また、SRCは昔からある意味オープンソースの手法を利用しています。と言う のも、SRCのデータやシナリオというのも作成者だけでなく誰でもその中身を 見れることから、ある意味オープンソースであると言えるからです。 データやシナリオの中身が公開されている利点というのはSRCを使っている方 は身近に感じていることではないでしょうか? SRCのオープンソース化によってこのような利点がSRC本体にも適用されること になります。
確かにソースコードを公開すると管理が難しくなるという問題もあります。 ですが、このようなメリットがありますし、なにより私自身がいつまでSRCの 開発を続けていけるかどうか分かりません。 #もちろん、出来る限りSRCの開発は続けていくつもりですが、数年先のこと #となると分からないので……
そうなった時にSRCが無くなってしまう事を防ぐためにもSRCのオープンソース 化というのは避けられない道であり、Ver.2.0の公開というのは良い機会では ないかと考えています。
オープンソース化に関してご不満がある方もいらっしゃるとは思いますが、 ご協力いただけると幸いです。
この書き込みの最後にライセンスの草案の最新版を添付しました。 昨年の書き込みで最後に提示したライセンス草案に対して、 「版権・オリジナルに関わらずシナリオ等の有料販売を禁止する」 という大きな変更を加えています。一度みなさんのお考えを聞かせていただけ ればと思います。
オープンソース時のライセンスに関する昨年のディスカッションでは一貫して 「版権作品を使ってなければシナリオ等の販売を許可」 というスタンスを取ってきました。 これはシナリオ作者の方の発表の自由を出来る限り広げていきたいという考え から来たものです。 ですが、販売というのはやはりお金にからむことですので、危険性をはらんで いるというのも事実です。
そこで、有償利用の例として挙げている 「付録CD-ROM等への収録を伴う雑誌掲載」 を他の形態の有償利用と別けて考え、 「版権作品・オリジナル作品を問わずシナリオ等の販売を禁止」 し、雑誌収録については版権作品を含まないオリジナルの作品を扱う場合に のみ許可するように変更しようかと考えています。
コミケ等でシナリオを販売しようかと考えていた方には申し訳ないですが、 ライセンスを出来るだけ多くの方々に受け入れてもらえるようにするため、 ご了承いただけると幸いです。
これ以外の変更点として、肖像権データに関する項目が追加されています。
みなさんのご意見をお待ちしています。
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オープンゲーム公有使用許諾書 Open Game Public License 2003/03/02 Version 0.4 Copyright (C) 2002,2003 Kei Sakamoto http://www.src.jpn.org/
以下の内容を変更せずそのままコピーする場合に限り、本ファイルを配布す ることができます。
[はじめに]
本ファイルはOGPL - Open Game Public License (以下、本ライセンス)につ いて述べたものです。本ライセンスは自由なゲーム開発環境をオープンソー スの元で実現するために作成されました。
本ライセンスでは他者の権利を阻害しない場合にのみプログラムを無保証で 提供しその利用を認めること、一定の条件下でプログラムを変更・再配布す る権利をユーザに与えることを規定しています。
以下にプログラムが無保証であることについて述べた後、プログラムの利用 と再配布に関する条件を示し、最後にライセンスの更新に関する条項につい て述べます。
[無保証]
本ライセンスに基づいて配布されたプログラム(以下、本プログラム)は無保 証で提供されます。本プログラムを使用して発生したいかなる損害について も本プログラムの作者は責任を負いません。また、本プログラムのためにシ ナリオや画像、データ等を作成し、公開する場合のリスクは全てあなたが負 う事になります。
[プログラムの利用に関する条件]
本プログラム及び本プログラムのソースコードを利用する場合は以下の条件 を全て守ってください。条件に違反する場合は本プログラムの利用を禁止し ます。
・取り込みデータ配布の禁止 雑誌等からスキャナで取り込んだ画像やCD-ROMから抜き出したデータ等の取 り込みデータを配布する場合、本プログラムの利用を禁止します。 ただし画像やデータの権利者から直接配布許可を受けた場合を除きます。
・素材データの無断配布の禁止 他人が作成した素材データ(データや画像、効果音、MIDI等)を許可された以 外の条件で再配布する場合、本プログラムの利用を禁止します。 「フリーで使用可能」という条件で配布されている素材データについても、 雑誌に掲載する場合は雑誌掲載の許可が明記されていない限り、必ず事前に 素材データ作者の了解を取ってください。
・有償配布の禁止 本プログラムで扱うデータや画像、シナリオを有償で配布する場合、本プロ グラムの利用を禁止します。有償での配布とは、 - シェアウェアとして販売 - コミケ等の展示即売会での販売 - 有料サイトでの配布 等の行為を指します。 なお、雑誌等の付録CD-ROM等に収録して配布する場合は収録したデータや画 像、シナリオそのものに対して代価を要求しているわけではないため、有償 配布とは見なしません。
・版権作品の雑誌掲載の禁止 版権作品を扱ったデータや画像、シナリオを雑誌等に掲載する場合、本プロ グラムの利用を禁止します。 ただし、付録CD-ROM等への収録を伴わない紹介記事の掲載のみを行う場合や、 あなたが版権元から雑誌掲載に関する許可を得ている場合はこの限りではあ りません。 また、版権作品を含まないオリジナルの作品のみを扱ったデータや画像、シ ナリオについては付録CD-ROM等へ収録して雑誌等に掲載する場合も本プログ ラムの利用を許可します。 なお、版権作品のキャラやメカ等が直接登場しなくても、その背景世界の設 定を借りている場合はオリジナルの作品とは認められません。
・肖像権データの不正利用の禁止 実在の人物の画像を本人の許可無く使用する場合、本プログラムの利用を禁 止します。 ただし、死後数十年を経過した歴史上の人物である場合はこの限りではあり ません。 なお、人物の画像が俳優等が演じたキャラクターを表している場合は版権作 品の利用とみなします(雑誌掲載の禁止)。
・音楽データの不正利用の禁止 商用に公の機関に登録されている楽曲の音楽データファイルや楽譜、歌詞を 配布する場合、本プログラムの利用を禁止します。 ただし、楽曲の権利者または管理機関から使用許可を得た上でその使用規約 に従って配布する場合はこの限りではありません。
・ライセンス違反サイトへのリンク・宣伝の禁止 本ライセンスのプログラムの使用条件・再配布条件に違反したサイトへのリ ンクや宣伝をする場合、本プログラムの利用を禁止します。
[プログラムの再配布に関する条件]
本ライセンスに基づいて配布されたプログラム(以下、本プログラム)は一定 の条件下で無償による再配布を行うことが認められています。再配布の際に プログラムの内容を変更してもかまいません。
本プログラム及び本プログラムのソースコードを利用して作成したプログラ ムを配布したり、そのソースコードを配布する際は以下の条件を全て守って ください。
・オープンソース 配布するプログラムを入手したユーザが無償でソースコードを入手出来るよ う、以下のいずれかの方法で配布するプログラムのソースファイルを公開し てください。 - 配布するアーカイブファイル内にソースファイルを含める - 配布するCD-ROM等のメディア内にソースファイルを含める - バイナリを配布するサイトでソースファイルを配布する
・有償利用の禁止 本プログラム及び本プログラムのソースコードを有償で利用することを禁止 します。有償での利用とは、 - シェアウェアとして販売 - コミケ等の展示即売会での販売 - 有料サイトでの配布 等の行為を指します。 なお、雑誌等への掲載は有償利用とは見なしません。
・同一ライセンスの使用 配布するプログラム及びソースファイルにも本ライセンスを適用し、本ファ イルを配布ファイル内に同封して配布して下さい。本ライセンスと異なるラ イセンスを新たに適用することは認められていません。異なるライセンスの 適用とは、プログラムのシェアウェア化などプログラムの使用に対して課金 する行為を含みます。 本ライセンスが更新されている場合、より新しいバージョンのライセンスを 適用し、本ファイルの代わりに新しいバージョンの公有使用許諾書を添付し ても構いません。詳しくは「ライセンスの更新」の項を参照して下さい。
・ライセンス情報の明記 配布するプログラムが本ライセンスに基づいていることを容易に確認出来る ようにして下さい。タイトルウィンドウに記載したり、メニューから表示す るバージョン情報に記載すると良いでしょう。マニュアルやReadmeファイル に記載するだけでは不十分です。 また、ソースコードを公開する際には本ライセンスに基づいて配布されてい ることを各ソースファイル中に明記して下さい。
・同一名称での配布における注意 内容を改変したプログラムを再配布する場合は、プログラムの名称を変更し てください。これは異なる内容のプログラムが同一名称で配布されることに よる混乱を避けるためのものです。
・利用条件の準拠 「プログラムの利用に関する条件」で規定された条項を全て守ってください。
[ライセンスの更新]
本ライセンスの作成者(Kei Sakamoto)は随時、本ライセンスの改訂版、又は 新版を公表することがあります。そのような新しいバージョンは、現行のバ ージョンと基本的に変わるところはありませんが、新しい問題や懸案事項に 対応するため、細部における変更・追加が行われることがあります。
最新のライセンスはSRC公式HP(http://www.src.jpn.org/)で公開されていま す。プログラムの配布に使用されたバージョンより新しいバージョンのライ センスが公開されている場合、プログラムの利用及び再配布の際にプログラ ムの配布に使用されたバージョンより新しいバージョンのライセンスを使用 しても構いません。
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