| お待たせしてもうしわけありません。
【死神遊戯】 アン武さん作のオリキャラオンリー等身大シナリオ。事故で死亡したいじめっ子が天国(?)に行くために現世の人間を狩って特典を稼ぐ「死神遊戯」に参加し、ドロドロとした感情を撒き散らしながら戦う物語。シンプルな戦闘シーンとともすれば嫌悪感を催す主人公の心情描写、そして派手な画像演出が持ち味。良くも悪くも人を選ぶでしょう。
◆プレイ話数 6話まで。
◆演出・ギミック面 視覚的な演出は非常に素晴らしいものがありました。以前拝見したアン武さん作の「天馬博士と吸血鬼」の時はところどころで若干クドク感じる部分がありましたが、今回はテンポを阻害しない程度に格好良く仕上がっていると思います。印象的だったのはグラスパーの必殺技アニメと六話の横アクションの様なザコ虐殺シーンです。 MP3の使用は容量の面で批判される方もいるかもしれませんが、雰囲気に合ったモノが厳選されていて、良いと感じました。
◆シナリオ 今回はストーリー面とキャラクター面に分けて書いていきます。
ストーリー・世界観面: ダークな雰囲気と退廃的な世界観で陰鬱な気分にさせてくれます。 短編ならではのスピーディーな展開は非常に小気味よいのですが、死神ゲームの開始から宗教団体との対決までの流れがやや唐突に感じました。間にもう1〜2話おいて、世界観の描写や主人公の過去に触れてからの方が自然に思いましたが……それで今の軽快なテンポが阻害されてもと思うので、この辺りは何とも言えません。 手軽に、キャラクター主体で楽しむには満足な完成度です。 設定面で気になるのは、死神が死んだ場合です。彼らは既に死んでいますが、 一話で主人公が撃ち殺されそうになりましたが、あそこでやられたら、どうなっていたのでしょう? もし、消滅するとしたら、冒頭の死神ゲームの説明と矛盾する様な……
キャラクター面: 世界観はサッパリ風味ですが、キャラクター面では主人公を主体にどす黒い内面が描かれ、ホラー的な意味で楽しめました。ダークな作品は何本か遊びましたが、ここまで「怖い」と思ったのはSRCでは初めての体験です。特に主人公と正樹のドロドロとしたやり取りと平行線な感じはとても素晴らしいです。
◆戦闘 おまけ、との事ですが、幾つか気になる事があったので、触れたいと思います。 まずは戦闘における運の要素です。 一部、戦闘・データバランス面で運の要素が強すぎます。グラスパーの当身技はSP直撃が無いと、隠れ身を使っても反撃される事があり、その確立ね低くないので、辛いです。また、主人公の武装に再攻撃が付いているものが幾つかありますが、再攻撃は一つ一つの発動の有無が勝敗に影響しやすいので、これもバランス的に宜しく無いと思います。 戦闘が「おまけ」という事でしたら、もっと徹底した低難易度にして、物語に没頭出来るようにした方が遊びやすいと思います。 追記: ブラックパレードの加速装置の効果が非常にわかり難いです。 是非、解説文をアビリティに付けて欲しいです。
◆最後に とてつもなく尖がった、移植シナリオです。 テンポよく遊べるのが非常に心地よいので、次回も楽しみにしています。
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